2026年4月03日

円形脱毛症について
円形脱毛症は、突然、頭皮などに円形または楕円形の脱毛斑が生じる疾患です。 年齢や性別を問わず発症し、小児から成人まで幅広くみられます。
「ある日急に髪が抜けていることに気づいた」「美容師さんに指摘された」というきっかけで受診される方も多く、 見た目の変化から強い不安を感じやすい疾患です。
一方で、決して珍しい病気ではなく、適切に経過をみながら治療を行うことで改善が期待できる場合も多いことが分かっています。
原因について
円形脱毛症は、毛根を自分の免疫が誤って攻撃してしまうことで起こる自己免疫性疾患と考えられています。
発症のきっかけとして、精神的・身体的なストレス、体調の変化、環境の変化などが関与することがあり、 これらが免疫バランスに影響を与えることで症状が現れる場合があります。
ただし、ストレスがあれば必ず発症する、あるいはストレスを解消すれば必ず治る、という単純なものではなく、 体質や免疫の反応のしやすさが背景にあると考えられています。
円形脱毛症のタイプ
- 単発型:脱毛が1か所のみみられるタイプ
- 多発型:複数の脱毛斑がみられるタイプ
- 全頭型・汎発型:頭部全体、または体毛にも及ぶタイプ
多くは単発型から始まり、自然に改善する方も少なくありません。
鑑別が必要な疾患(まぎらわしい病気)
脱毛がみられる場合、円形脱毛症以外の疾患が原因となっていることもあります。 正確な診断のためには、皮膚科での診察が重要です。
- 抜毛症(トリコチロマニア):無意識に毛を抜いてしまうことで起こる脱毛
- 脂漏性皮膚炎・接触皮膚炎:頭皮の炎症に伴い、一時的に脱毛がみられることがあります
- 白癬(しらくも):真菌(カビ)感染による脱毛で、治療法が大きく異なります
- 瘢痕性脱毛症:毛根が破壊され、自然な発毛が期待できない脱毛症
- 休止期脱毛症:一時的に毛が抜けやすくなる脱毛で、経過が異なります
治療について
円形脱毛症の治療は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインに基づき、重症度・年齢・経過に応じて選択します。
外用治療(塗り薬)
ステロイド外用薬
毛根周囲の炎症や免疫反応を抑える目的で使用される治療です。 部位や年齢に応じて強さを調整しながら使用します。
フロジン外用薬
頭皮の血流を改善し、毛根への栄養供給を促す外用薬です。 副作用が比較的少なく、初期・軽症例や併用療法として用いられます。
内服治療
セファランチン
植物由来成分から作られた内服薬で、免疫の過剰な反応を穏やかに調整すると考えられています。 円形脱毛症の保険診療で広く使用され、小児にも用いられることがあります。
光線治療
エキシマ紫外線療法
特定の波長(308nm)の紫外線を脱毛部位にピンポイントで照射する治療です。 外用・内服治療との併用も可能で、小児の円形脱毛症に対しても年齢や状態を考慮しながら使用できます。
その他の治療(重症例)
- 局所免疫療法(DPCPなど)
- JAK阻害薬(内服):免疫の働きを調整することで、重症例に効果が認められている治療(※専門的な判断が必要)
よくあるご質問
Q. ストレスが原因ですか?
A. 関与することはありますが、それだけが原因ではありません。
Q. 学校や幼稚園は行っていいですか?
A. 問題ありません。うつる病気ではありません。
受診の目安
- 脱毛が急に目立ってきた
- 範囲が広がっている
- 不安が強い
このような場合は、早めにご相談ください。 当院では、症状だけでなくお気持ちにも配慮した診療を行っています。
