2026年5月11日

4月末になると、多くの自治体から子宮頸がん検診の受検票が届きます。
検診自体は広く認知されていますが、「異常があった場合に何が行われるのか」まで理解している方は多くありません。
当院でも、「要精密検査と言われて不安」というご相談は非常に多く見られます。
本コラムでは、子宮頸部細胞診の結果の見方を簡単に整理したうえで、その次のステップであるコルポスコピー(拡大鏡検査)について解説します。
子宮頸部細胞診の結果はどう読むか
子宮頸部細胞診は、子宮頸部の細胞を採取し、異常の有無を調べる検査です。
- NILM(異常なし)
- ASC-US(軽度異常の疑い)
- LSIL / HSIL(異形成)
- SCC など(がんの疑い)
「異常=がん」ではありません。
多くは前がん病変(異形成)の段階で見つかります。
「要精密検査」とは何を意味するのか
ASC-US以上の所見が出た場合、精密検査が必要と判断されます。
このときに行われる代表的な検査がコルポスコピーです。
コルポスコピーとは何か
コルポスコピーは、子宮頸部を拡大して観察する検査です。
肉眼では見えない異常を可視化するために行います。
- 子宮頸部を観察
- 酢酸(弱い酸)を塗布
- 異常部分(白く変化する部位)を確認
- 必要に応じて組織を採取(生検)
なぜ酢酸を使うのか
異形成やがん細胞は、酢酸に反応して白く変化します(酢酸白色上皮)。
これにより、正常組織と異常組織を区別することができます。
生検(組織検査)は痛いのか
生検では小さな組織片を採取します。
- 強い痛みは通常ありません
- 軽い刺激を感じる程度
- 少量の出血が出ることがあります
外来で短時間に終了する検査です。
細胞診とコルポスコピーの違い
- 細胞診:表面の細胞を広く見るスクリーニング検査
- コルポスコピー:異常部位を狙って評価する検査
細胞診で異常が出た理由を特定する検査がコルポスコピーです。
よくある誤解
- 異常=すぐ治療が必要 → 誤り
- 一度異常が出たら終わり → 誤り
多くの場合は経過観察または軽微な処置で対応可能です。
ただし、放置しないことが重要です。
当院での対応
当院では、
- 細胞診の結果説明
- コルポスコピー
- 必要に応じた生検
まで一貫して対応しています。
「検診で異常を指摘されたが、どうすればよいかわからない」段階でもご相談ください。
まとめ
- 子宮頸がん検診は早期発見のための重要な検査
- 異常の多くは前がん病変
- コルポスコピーで正確な評価が可能
- 放置せず精密検査を受けることが重要
