2025年10月09日

はじめに
「毎月の生理痛がつらい」「市販の痛み止めが効かない」――こうしたお悩みを抱える方は少なくありません。
強い生理痛を医学的には月経困難症と呼びます。実は単なる“体質”ではなく、病気が隠れている場合もあるため、放置せず適切な診断・治療を受けることが大切です。
月経困難症とは?
月経困難症は大きく2種類に分けられます。
- 機能性月経困難症(体質・ホルモンバランスによるタイプ) 子宮を収縮させる物質(プロスタグランジン)の分泌が過剰になることが原因と考えられます。10代後半~20代に多いのが特徴です。
- 器質性月経困難症(病気が原因のタイプ) 子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの病気が背景にあるタイプです。放置すると不妊の原因になることもあり、早期発見が重要です。
主な症状
- 強い下腹部痛や腰痛
- 吐き気・下痢・頭痛
- 倦怠感、集中力の低下
「市販の鎮痛薬を使っても効かない」「以前より痛みが強くなった」といった場合は要注意です。
また、痛みによる欠勤・欠席も、症状の一つと捉えられます。
治療法
症状の程度や妊娠希望の有無に応じて治療を行います。
- 内服薬:鎮痛薬、漢方、鎮痙薬が有効です。
- ホルモン療法(低用量ピル・黄体ホルモン剤など):排卵を抑え、子宮内膜を薄くして痛みを軽減
- 原因疾患の治療:子宮内膜症、子宮筋腫などの場合は、薬物療法や手術
- 生活習慣の改善:睡眠・栄養・ストレス管理も大切
当院での取り組み
当院では、問診・検査で機能性か器質性かを丁寧に見極め、患者さんのライフスタイルに合わせた治療を提案しています。
「毎月のつらい生理痛を我慢しない」ことが、将来の健康や妊娠にもつながります。
まとめ
- 月経困難症には「機能性(月経痛が体質・ホルモンによるもの)」と「器質性(病気が原因のもの)」がある
- 強い生理痛は治療できる可能性が高い
- 放置せず婦人科に相談することが大切
つらい生理痛でお悩みの方は、お気軽に当院へご相談ください。