ひどいPMS/PMDDは治せる?専門医が解説する最新の治療法|【人形町駅・水天宮前駅すぐ】日本橋IELAクリニック 皮膚科・婦人科|肌とからだのトータルケア

〒103-0013東京都中央区日本橋人形町1丁目6-8 人形町大内ビル 3F

03-5614-0303

WEB予約
アクセス
診療時間

ひどいPMS/PMDDは治せる?専門医が解説する最新の治療法

ひどいPMS/PMDDは治せる?専門医が解説する最新の治療法|【人形町駅・水天宮前駅すぐ】日本橋IELAクリニック 皮膚科・婦人科|肌とからだのトータルケア

2025年11月25日

ひどいPMS/PMDDは治せる?専門医が解説する最新の治療法

月経前のイライラ、落ち込み、だるさ、集中力の低下…。「毎月つらいのに、対策が分からない」「仕事や家庭生活に支障が出ている」というご相談は少なくありません。特に、症状が重い場合は PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder:月経前不快気分障害) の可能性もあります。

PMS/PMDDは“がまんするもの”ではなく、 適切な治療で改善が期待できる疾患 です。婦人科専門医が、原因・症状・治療法を最新の知見をもとに解説します。

PMS/PMDDとは?

PMS(Premenstrual Syndrome) は、月経前の3〜10日間に心身の不調が現れ、月経開始とともに軽快する状態を指します。

代表的な症状は以下の通りです:

  • 情緒不安定、イライラ、怒りっぽさ
  • 落ち込み、不安感
  • 集中力の低下、眠気、不眠
  • 頭痛、倦怠感、むくみ、乳房の張り

一方、PMDD は精神症状が特に強く、日常生活に著しい支障をきたす状態をいいます。診断の鍵は、症状が月経周期と明確に連動している ことです。

PMS/PMDDの原因

完全には解明されていませんが、主に以下が関与すると考えられています:

  • 女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動
  • 脳内セロトニンの変調(PMDDで特に示唆)
  • ストレス・生活習慣の影響(睡眠不足や栄養不良など)

最新の治療法(エビデンスに基づくアプローチ)

PMS/PMDDには複数の治療法があり、症状に合わせて選択します。

① 生活習慣の改善(基本)

軽症例では、生活改善のみで症状が軽くなることもあります。

  • 睡眠の質を上げる
  • 適度な運動(有酸素運動)
  • カフェイン・アルコールの控えめな摂取
  • マグネシウム、ビタミンB6の補充

② 低用量ピル(OC/LEP)

排卵を抑えることでホルモン変動を少なくし、症状の安定が期待できます。特に Drospirenone(DRSP:ドロスピレノン) 含有ピルは、むくみ・情緒症状に一定の改善効果があるとされています。

③ SSRI(抗うつ薬)

PMDDに対して、最もエビデンスの強い治療のひとつです。特徴として、月経前の数日だけ服用する「間欠投与」も可能で、セロトニンの働きを改善し、気分症状を大きく軽減します。

④ 黄体ホルモン(プロゲステロン)治療

一部のケースで、ホルモンバランスを整える目的で使用されます。特に子宮内膜症や排卵痛を伴う場合に選択されることがあります。

⑤ 漢方薬

体質や症状に応じて、加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸などが使用されます。西洋医学との併用も可能です。

⑥ GnRHアゴニスト(重症例)

薬剤で一時的に「閉経状態」を作り、ホルモン変動をゼロにすることで症状を抑えます。注意点として、更年期症状が出る場合があり、長期使用は推奨されません。重症例や他治療が無効な場合に検討されます。

受診をおすすめするタイミング

以下に当てはまる場合は、専門医の診察が有用です。

  • 気分の落ち込みが強く、月経のたびにつらい
  • 家事・仕事・対人関係に支障が出ている
  • イライラや怒りの爆発で自己嫌悪がある
  • 毎月同じタイミングで症状が悪化する
  • 市販薬や生活改善では改善しない

記録アプリなどで 症状の時期と強さをメモしておくと、診療がスムーズになります。

まとめ

PMS/PMDDは、適切な治療で大きく改善できる疾患です。特にPMDDは、「性格の問題」ではなく、脳内のセロトニンと女性ホルモンの変動による“医学的な状態” です。つらいと感じたら我慢せず、早めに相談してください。症状を正しく見極め、あなたに合った治療を一緒に探していきます。

TOP