2025年12月08日

「おりものの量が増えた」「においが気になる」「色がいつもと違う」など、おりものの変化に不安を感じて受診される方は多くいらっしゃいます。
おりものは体調やホルモンバランスで変化しますが、時に感染症や膣内環境の乱れのサインであることもあります。
この記事では、おりもの異常の代表的な原因と、受診のタイミングについて婦人科専門医が詳しく解説します。
おりものの役割と正常範囲
おりもの(帯下)は腟や子宮の分泌物が混ざったもので、以下のような役割があります:
- ・腟内を清潔に保つ(自浄作用)
- ・感染を防ぐバリア機能
- ・排卵期に精子を助ける役割
正常なおりものの特徴:
- ・透明〜乳白色
- ・強いにおいはない
- ・月経周期で量が増減する
おりものが「異常」と考えられるサイン
次のような変化がある際は、感染症や炎症が疑われます。
- ・強いにおい(魚のようなにおいなど)
- ・黄色・灰色・緑色などの変色
- ・酒かす状/カッテージチーズ状のかたまり
- ・外陰部のかゆみ・痛み・ヒリヒリ感
- ・性交痛や不正出血を伴う
代表的な原因疾患
① 細菌性腟症(Bacterial Vaginosis)
腟内の善玉菌(乳酸菌)が減り、嫌気性菌が増えることで起こります。
- ・灰白色〜薄い黄色のおりもの
- ・魚のような強いにおい
- ・かゆみは少ないことが多い
抗菌薬の内服または腟剤で改善します。再発が比較的多い疾患です。
② カンジダ腟炎
カンジダ真菌が原因で、免疫低下や疲労、抗生剤の使用などが引き金になります。
- ・白いカッテージチーズ状のおりもの
- ・強いかゆみ・発赤・ヒリつき
治療は抗真菌薬の腟剤・内服。再発例では長期治療が必要な場合もあります。
③ 性感染症(クラミジア・淋菌など)
自覚症状が少ないこともありますが、次の傾向があります:
- ・黄色〜緑色のおりもの
- ・下腹部痛
- ・性交痛、性器出血
適切な抗菌薬治療が必要で、放置すると不妊の原因になる場合があります。
④ トリコモナス腟炎
泡状・悪臭の強いおりものが特徴で、性行為で感染します。パートナーの治療も重要です。
⑤ 腟カンジダ以外の真菌症・腟内環境の乱れ
ストレス、睡眠不足、洗浄のしすぎなどで腟内のpHが変化し、症状が出ることがあります。
受診をおすすめするタイミング
以下のような場合は婦人科を受診してください。
- ・悪臭・変色・量の急増がある
- ・強いかゆみ・痛み・発赤を伴う
- ・市販薬を使っても改善しない
- ・性行為後に症状が出る/性感染症が心配
- ・不正出血がある
自己判断では見分けが難しいため、正確な診断と適切な治療が重要です。
まとめ
おりものの変化は、女性の体のサインです。多くは治療で改善しますが、原因によって必要な薬や対応が異なります。気になる症状が続く場合は、早めにご相談ください。
