2025年12月11日

40代半ばから50代にかけて、「急に汗が出る」「気分が落ち込む」「眠れない」といった不調に悩まされる方が多くなります。これらは更年期のホルモン変動によって起こる典型的な症状です。
更年期の不調は“年齢のせい”と片づけられがちですが、適切な治療で改善が期待できます。本記事では、更年期症状の原因から、最新の治療法であるホルモン補充療法(HRT)まで専門医が解説します。
更年期とは?
閉経の前後5年ずつ(計10年間)を指し、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に低下することで多様な症状が出ます。
更年期の代表的な症状
- ・ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ
- ・発汗、動悸
- ・気分の落ち込み、不安感、イライラ
- ・不眠、疲れやすさ
- ・肩こり、関節痛
- ・腟の乾燥、性交痛
原因:エストロゲンの急激な低下
特に以下の仕組みが関わります:
- ・自律神経の乱れ(ホットフラッシュ・発汗)
- ・脳内セロトニン・ドーパミン変動(気分症状)
- ・骨密度低下(骨粗鬆症リスクの上昇)
更年期の治療(エビデンスに基づくアプローチ)
① 生活習慣の改善
軽症例では生活改善が有効です。
- ・十分な睡眠、ストレス管理
- ・有酸素運動
- ・カフェイン・アルコールの調整
② 漢方薬
当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸など、症状や体質に合わせて処方します。
③ 抗うつ薬・抗不安薬
気分症状が強い場合に選択されることがあります。特にSSRI・SNRIはホットフラッシュの軽減にも効果が知られています。
④ ホルモン補充療法(HRT)
更年期治療の中心で、エストロゲンを補充することで多くの症状が改善します。
メリット:
- ・ホットフラッシュの改善
- ・睡眠の質向上
- ・気分の安定
- ・腟の乾燥・性交痛の改善
- ・骨粗鬆症予防
使用される薬剤: 経皮パッチ、ジェル、内服、腟剤など。
子宮がある方は、エストロゲン単独では子宮内膜が過剰に増殖するため、黄体ホルモン(プロゲステロン)の併用が必要です。
注意点: 血栓症リスクの評価、乳癌リスクの説明、定期的な検診が必要です。特に経皮剤は血栓リスクが比較的低いとされています。
受診をおすすめするタイミング
次に当てはまる場合は専門医への相談をおすすめします。
- ・ホットフラッシュや発汗が強く、日常生活に支障がある
- ・気分の落ち込みや不安が続く
- ・不眠や疲れが改善しない
- ・腟の乾燥・性交痛がつらい
まとめ
更年期症状は、適切な治療で大きく軽減できます。特にホルモン補充療法は効果が高く、生活の質を大きく改善します。「年齢だから仕方ない」と我慢せず、つらい症状があれば早めに相談してください。
