デリケートゾーンがかゆすぎる!外陰掻痒症とは?|【人形町駅・水天宮前駅すぐ】日本橋IELAクリニック 皮膚科・婦人科|肌とからだのトータルケア

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デリケートゾーンがかゆすぎる!外陰掻痒症とは?

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2025年5月21日

デリケートゾーンがかゆすぎる!外陰掻痒症とは?

「陰部がかゆくてたまらない」「かいてはいけないと思うけど、ついかいてしまう」――。
外陰部のかゆみは日常生活に大きな支障をきたしますが、原因は多岐にわたります。
医学的には「外陰掻痒症(がいいんそうようしょう)」と呼ばれ、原因は大きく 「感染性」と「非感染性」 に分けられます。


1. 非感染性の原因
接触皮膚炎(刺激・アレルギー性)
石鹸やボディソープ、入浴剤、香料製品、下着や生理用品、制汗剤、洗浄のしすぎ(ウォシュレット含む)、毛の処理(剃毛・脱毛クリーム)などが刺激となり、かぶれ(接触皮膚炎)を起こすことがあります。
一部ではラテックス(コンドーム)や香料などに対するアレルギー反応が原因となることもあります。
▶︎ 対応
石鹸の使用は避け、ぬるま湯でやさしく洗浄することが推奨されます(※腟内の洗浄は不要です)。
下着は綿素材で通気性のよいものを選び、ナプキン・おりものシートは長時間つけっぱなしにしないことが大切です。


閉経後の変化(外陰萎縮・萎縮性腟炎)
閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、腟や外陰部の粘膜が乾燥・菲薄化し、かゆみや痛みが生じやすくなります。
また、硬化性萎縮性苔癬外陰Paget病など、かゆみを伴う特殊疾患も存在するため、皮膚の変化には注意が必要です。
皮膚疾患・全身性疾患
アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患
糖尿病などによる易感染性や皮膚バリア機能低下
精神的ストレスや疲労の関与も指摘されています。


2. 感染性の原因
腟には「デーデルライン桿菌(乳酸桿菌)」が存在し、乳酸を産生して腟内を弱酸性に保つことで細菌の増殖を防いでいます(腟の自浄作用)。
このバランスが崩れると感染が成立し、かゆみや帯下(おりもの)の異常が出現します。
主な感染症
細菌性腟症(Bacterial vaginosis)
 腟内の嫌気性菌が異常増殖する状態。
 《症状》灰白色で均質なおりもの、魚臭
 《治療》メトロニダゾールやクリンダマイシンの腟剤または内服
カンジダ外陰腟炎(Vulvovaginal candidiasis)
 常在菌であるカンジダ属が増殖。妊娠・糖尿病・抗菌薬使用後などに起こりやすい。
 《症状》強いかゆみ、酒かす状〜チーズ様の白色のおりもの
 《治療》抗真菌薬(腟錠・外用・内服)
腟トリコモナス症(Trichomoniasis)
 原虫による性感染症(STI)。性交渉が主経路。
 《症状》泡沫状の黄緑色〜褐色のおりもの、悪臭、外陰部のかゆみや灼熱感、排尿痛
 《治療》メトロニダゾールなど抗原虫薬の内服(パートナー治療も必要)
※クラミジアや淋菌などの性感染症も外陰部の不快感・かゆみを伴うことがあります。


3. 放置すると…
強いかゆみでかき壊すと皮膚に傷ができ、二次的な細菌感染を起こし、痛みや腫れを伴うことがあります。抗菌薬が必要になるケースもあります。

まとめ
外陰掻痒症は、
非感染性(かぶれ、乾燥、皮膚疾患など)
感染性(細菌性腟症、カンジダ、トリコモナスなど)
に大別できます。
「恥ずかしいから」と我慢してしまう方も多いですが、自己判断で市販薬を使用すると悪化することもあります。
つらい症状が続くときは、早めに婦人科・皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

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